【円形脱毛症の入院治療】ステロイドパルス療法について解説

ステロイドパルス
ステロイドパルス療法は、円形脱毛症の治療方法の1種です。

急速な円形脱毛症に対して効果があるとされており、病院に3日間入院をして大量のステロイドを投与するという治療内容です。

日本皮膚科学会でも急速な症状に対して根拠が理論付られているので、「最近、抜け毛がやばいんだが・・・」という方は参考にしてみてくださいね。

日本皮膚科学会とは?

今回は円形脱毛症のステロイドパルス療法について紹介しますが、「日本皮膚科学会」が提唱する円形脱毛症に関するガイドラインを元に解説していきます。

日本皮膚科学会というのは、明治33年に土肥慶蔵によって創立されました。現在の2017年で約117年の歴史を誇るわけですが、これまでの研究や診療の努力が今の皮膚科診療システムの形成に大きな貢献があります。特にハンセン病や性感染症では多大なる貢献があるとされています。

1974年以降、難病対策として皮膚科医を中心に研究班が設けられており、円形脱毛症の原因でも自己免疫疾患など様々な症状に対する治療ガイドライン等の作成に大きな成果が挙げられています。

1982年以降、国際皮膚科学会を開催し、日本のみならず世界規模で会員が増えています。世界皮膚科学会連合との協力もあり、アフガニスタンの皮膚科医研修支援やJICA活動による開発途上国の皮膚科医育成事業にも協力しています。

また、欧米6か国の皮膚科専門学術雑誌11誌の編集委員を排出するなど、会員の活動も世界規模に見られます。

円形脱毛症に対するステロイド治療

日本皮膚科学会は、円形脱毛症に対して診療ガイドライン2010を発表しています。

このガイドラインでは、円形脱毛症が頭皮全体に対してどのくらい進行しているのかを6レベルで分類しています。

・S0:脱毛が見られない
・S1:脱毛が頭全体の25%未満
・S2:脱毛が25~49%
・S3:脱毛が50~74%
・S4:脱毛が75~99%
・S5:脱毛が100%

次に円形脱毛症の治療方針も推薦レベルが設けられており、以下のようになっています。

・B:推薦できる
・C1:行っても良いが十分な根拠がない
・C2:行わない方が良い
・D:推薦できない

ステロイド療法は根拠のある治療

ステロイドパルス引用元:日本皮膚科学会(円形脱毛症治療ガイドライン2010より)

上記は日本皮膚科学会の「円形脱毛症ガイドライン2010」で明記されている各治療方法の推薦レベルです。

上部2つのステロイド局注と局所免疫療法は最も高い推薦レベルのBです。

これは臨床研究結果に基づき、根拠のある治療とされています。

・ステロイド局注:成人を対象に、脱毛が頭皮全体の25%以下の単発型や多発型に対して行うべき治療
・局所免疫療法:年齢を問わず、脱毛が頭皮全体の25%以上の症状に対して第一選択して行うべき治療

次にC1レベルの治療内容は11種がありますが、この中にステロイドパルス療法があります。

C1レベルというのは、このガイドラインにおいては「行ってもよいが十分な根拠はない」とされており、簡単にいうと個人差があるという治療の位置づけです。

この文言だけを見るとステロイドパルス療法を行っても円形脱毛症が治らないのではと思ってしまいますが、まさにその通りであり完治できることがあればできないこともあります。

症状や担当医の診断にも寄りますが、このガイドラインを元にすると治療の流れは推薦レベルBの2種、特にステロイドが効果的であるという根拠からすると「ステロイド局注」or「ステロイド内服」、その後の経過によって「ステロイドパルス療法」が検討されると推測されます。

また、推薦レベルBの2種については「行うよう勧められる」という記述ですが、この治療に関しても円形脱毛症の原因によっては回復できるかどうかは個人差があります。

治療というのは完治に向けて努力する医療行為であり、「絶対に回復するわけではない=治療をやめる」という考え方ではありませんね。

ステロイドとは?

ステロイドというのは、肝臓で作られる皮膚ホルモンの1つであり、ステロイドを服用すると炎症や免疫を抑制する働きを得られます。

円形脱毛症に関しては、自己免疫疾患によって脱毛が進行してしまう可能性があるので、ステロイド治療は免疫を抑制することで脱毛の進行を止められるという考え方です。

ステロイドの副作用

ステロイド治療は様々な副作用があるとされています。

・ステロイド糖尿病:ステロイドによって血糖値が上がる
・血栓症:血小板によって血液が固まる
・ステロイド精神病:うつや不眠症など軽度な精神病になりやすい
・高血圧症:塩分が溜まりやすい
・易感染性:免疫低下によって感染症になりやすい
・ステロイド骨粗しょう症:骨がもろくなりやすい
・ステロイド潰瘍:消化器官が衰弱して潰瘍ができやすい
・肥満:代謝障害から太りやすい
・動脈硬化:動脈硬化になりやすい
・ステロイド白内障&緑内障:眼球異常が起こりやすい
・ステロイド離脱症候群:急にステロイドをやめると吐き気や頭痛などの症状が起こりやすい

ステロイド治療を行った際の副作用は、上記以外にも生理不順やステロイド筋症など様々な可能性があるとされています。

基本的に患者目線としては医師の診断や注意事項などをしっかりと聞いておくことが大切であり、特に内服に関しては自己判断は避けましょう。

日本皮膚科学会では、ステロイドパルス治療における副作用は入院期間を延長するような重度な症状は見られないとされており、以下が主な副作用とされています。

・不眠
・動悸
・頭痛
・微熱

また、この治療方法は主に成人に対して行うものであり、小児に対しては安全性が確立されていない現状です。

ステロイドパルス療法の効果

日本皮膚科学会では、ステロイドパルス療法の効果を以下のように述べています。

メチルプレドニゾロン500mlを3日連続で投与すると、治療前に比べて脱毛範囲が縮小する根拠が見出されたようです。その効果は発症から早い時期であるほど著しい結果が見られ、発症6ヶ月以内で「59%=101例の60例」、6ヶ月以上では「16%=38例の6例」という結果だったようです。

これを元にステロイドパルス療法は根拠性の高い治療だと理論づけられています。

また、ステロイド内服や経口ステロイドパルス療法も早期に改善に兆しが見られたという根拠が示されていますが、その後に再び脱毛が再燃するという結果もあったようです。しかし、臨床結果としてはステロイドパルスと同様に根拠性の高い治療だと理論づけられています。

ステロイドパルス療法で心がけること

上記のとおり、日本皮膚科学会ではステロイドパルス療法を「脱毛が急速に進行しているS2以上の成人症例に用いてもよい」と推薦しています。

その根拠は、臨床結果において発症から6ヶ月以内に治療をする方が改善の傾向が見られたという内容です。

これを元にすると、ステロイドパルス療法を受けるにあたって心がけておきたいことは、ある日を境に脱毛症が急速に進んだら早期にクリニックで診断を受けることです。この場合、医師の診断によってステロイドパルス療法を提案されたなら、臨床結果と同様に脱毛症が改善される可能性が高くなります。

ステロイドパルス療法以外の選択肢は?

ステロイドパルス療法は3日間入院しなければならないため、人によっては気軽に治療を受けられないケースもありますね。

その場合、他の治療方法ではダメなのかと思うわけですが、やはりその点については担当医と相談するしかありません。

日本皮膚科学会では、推薦レベルBとしてステロイド局注や局所免疫療法などがありますし、同じステロイド治療でも内服も推薦レベルC1として提唱されています。

こうした様々な治療において、最もベストな選択はどれなのかという答えはあなたを診察している医者でなければ答えを出すことができません。

脱毛症が気になったら早めにクリニックへ行くように心がけ、治療について担当医としっかり相談するように努めてみてください。

自然治癒は不可能?

ステロイドパルス
円形脱毛症は放置しても治ることがありますが、逆に放置すると脱毛が進行してしまうこともあります。

その違いは脱毛の原因にありますが、脱毛の原因は以下のようなことが考えられるものの、まだまだ未解明なことも多いという現状です。

・ストレス
・遺伝
・自己免疫疾患
・ホルモンなど

未だに解明できない部分が多い現状から考えると、円形脱毛症の治療は本当に運の世界でもありますね。

本気で不安ならクリニックへ行くのがオススメ

円形脱毛症になった時、クリニックへ行くかどうかの判断基準は原因を理由にしたいところですが、医者でもわからない部分が多いのに素人で判断することはほぼ不可能です。

そこで、クリニックへ行くかどうかは不安度から判断するしかありません。

本気で円形脱毛症に不安を感じるという方は、迷わずにクリニックへ行きましょう。上記のとおり、早くクリニックへ行くことでステロイドパルス療法から完治できる可能性がありますし、一過性の軽度な症状に留まったとしてもそれはそれで良い結果です。

そこまで髪に重要性を感じないなら放置でOK

幸いにも、円形脱毛症から死に至ることはありません。

髪の毛があるのとないのとでは、やはり一般的にも髪がフサフサな方が良いと感じる人は多いと思います。

しかし、特に男性の場合はハゲたとしてもボウズにしてオシャレを追求することもできるので、「別にハゲでもいいか・・・」というスタンスなら完全に放置してもOKだと言えます。

「ボウズスタイル15選」

男性のボウズスタイルは「ハゲ・薄毛なら坊主でキマリ!オススメ髪型15選【ボウズアレンジもあり】」を読んでみよう。

逆に女性の場合は性質からも美容は欠かせない側面があるので、軽度の円形脱毛症でもクリニックへ行く方が良いかもしれませんね。

「女性の薄毛スタイル20選」

女性の薄毛対策は「薄毛の女性でも似合う髪型20選!【女性の薄毛は悲観する必要はない】」を読んでみよう。