今回は男性で良く見られるM字ハゲのメカニズムを解説していきます。
一般的な想像とは裏腹に「原因は意外なモノだった!」ことから、M字ハゲを真剣に治したい方は対策を検討する必要があります。
M字ハゲのメカニズム
M字ハゲは「額がM字にハゲていく」という症状であり、見た目がM字に見えることからもM字ハゲと呼ばれることが多いです。
年齢と共に男性に多く見られる症状なので、特に珍しいハゲ種類ではありません。
M字ハゲのメカニズムを見ていく上で、その原因や分類がややこしいことからM字ハゲの定義は「見た目がM字であること」と強く覚えておいてください。
M字ハゲの原因
M字ハゲの原因は主に2つに大別できます。
・AGA:男性型脱毛症
・AGA以外:生活習慣など様々な原因
ここが本テーマの核心でもあり、意外な原因というのはAGAにあります。
一般的に「頭皮のダメージが~」とか「頭皮の洗い方が~」などを理由にM字ハゲになるというイメージを持っている人が多いと思いますが、殆どのM字ハゲはAGAが原因です。
AGAとは?
AGAというのは男性型脱毛症と呼ばれ、世界規模において男性に見られる脱毛症です。
AGAはハミルトンノーウッド分類によって以下の3種に分類されています。
・M字ハゲ
・O字ハゲ
・頭頂ハゲ
どのタイプから発症しても末期になると頭皮全体が極度に薄くなることが特徴です。
次にAGAの原因は以下とされています。
・ホルモン
・遺伝
・その他
もっと有力とされている原因はジヒドロテストステロンというホルモンであり、これが生成されると成長期が短くなることからハゲに繋がります。
ジヒドロテストステロンは「テストステロン」+「5αリダクターゼ」によって生成されるため、自然治癒は難しい脱毛症です。
基本的に加齢によるM字ハゲとAGAによるM字ハゲは区別されていますが、理屈は同じなので特に区別する必要はありません。
年齢に連れて体内で分泌されるテストステロンは減少するので、高齢者の方はEDになりやすいという理屈と同じように頭皮もハゲやすい傾向があります。
また、脱毛症は遺伝によって発症する可能性が高く、これはAGAも同じです。その他の理由については、生活習慣などの理由が考えられますが、これを要因にしてしまうとその他の脱毛症との区別が難しいことから「AGA=ジヒドロテストステロン」という認識で良いでしょう。
AGA以外の原因とは?
AGA以外の要因によってM字ハゲになってしまうケースとして、こちらはAGAの原因と同様に生活習慣などが挙げられます。
・ストレス
・栄養バランス
・睡眠不足
・運動不足
・自己免疫疾患
上記はいわゆる脱毛になる原因として良く挙げられます。
簡単に説明すると、ストレスによって血管収縮、栄養バランスによって髪の栄養素の不足、睡眠不足によって成長ホルモンの減少、運動不足によって肥満などから動脈硬化、自己免疫疾患によって毛根を誤認破壊、といった感じです。
これらの原因を細分化して考えていった場合に、それぞれの原因からどのようなメカニズムでM字ハゲになるのかは本当に可能性の範囲が広いです。
また、ハゲではなく「M字ハゲ」になる理由は不明です。
もちろん、同じ原因でも薄毛の症状がM字だったり円形脱毛症だったりと異なることがあり得るわけですが、この辺りも根本的な原因を検査などから特定しなければ分類することができません。
一言で括るなら「ヘアサイクルの乱れ」に収束することは同じであり、ヘアサイクルは成長期が4~6年ほどあることから髪がフサフサと成長します。
ストレスや栄養不足など何かしらの原因によって、動脈硬化で血流悪化になったり栄養が足りないことからヘアサイクルが正常に機能しなくなるわけです。
AGAのM字ハゲの対策方法
AGAによるM字ハゲは、主にジヒドロテストステロンを抑制させなければ解決できません。
主な治療薬としては以下があります。
・フィナステリド:5αリダクターゼ2型を選択的に阻害できる
・デゥタステリド:5αリダクターゼ1型と2型を阻害できる
フィナステリドはプロペシアが有名、デゥタステリドはザガーロが有名です。
両方とも処方箋医薬品なのでクリニックで調達しましょう。
効果効能についてはジヒドロテストステロンを生成する元となる5αリダクターゼの1型と2型に対する阻害力に違いがありますが、基本的に効果は同じです。
どちらを使用してもジヒドロテストステロンを抑制することに繋がるため、AGAによるM字ハゲの進行を遅延させながら発毛育毛の促進をはかっていくことができます。
この手の話題では、フィナステリドとデゥタステリドのどちらを使用すべきか論戦が起こることが多いですが、いずれも処方箋医薬品なので医師に相談をしながら決めるしかありません。
また、ミノキシジルもAGA治療薬として効果がありますが、この成分は血管拡張や血流促進といった効果を得られる成分なので、上記2種のようにジヒドロテストステロンに影響を与えられるものではありません。
AGA以外のM字ハゲの対策方法
AGA以外の理由によってM字ハゲになっている場合、基本的に生活習慣を改善していくことがベースとなります。
・ストレスを発散する
・栄養バランスを整える
・睡眠を取る
・運動不足を解消する
・頭皮ケアに気を遣う
身近に実践できるところでも上記のような内容がありますが、それらを実践することでM字ハゲが治る可能性があります。
あくまでもジヒドロテストステロンが関与していないことが前提ですが、このホルモンが関係していないのであれば他に要因があることからも、その要因は上記の内容に絞られることが多いので改善への期待値は高いです。
実際に改善策を取る場合に難しく感じるのが栄養と運動でしょうか。
栄養は亜鉛が良いとかイソフラボンが良いなど、様々な栄養素が効果的とされています。しかし、何よりも大事なことは栄養バランスを整えることであり、大抵の食品には人体に必要な栄養素が入っているので「亜鉛は牡蠣がオススメ」というようにそこまで狙い撃ちする必要はありません。また、食品を狙い撃ちしても栄養バランスが偏ると意味がないので、1日に必要な栄養素の摂取基準を元にしっかり献立を立てましょう。
運動については毎日継続することが大切なので、仕事との兼ね合いからいかに時間を作って継続できるのかがポイントです。
どれを優先すべき?
AGA以外の原因によってM字ハゲになった場合、生活習慣の改善に優先順位はありません。
例えば、運動不足と栄養バランスは比較できませんし、栄養バランスを整えても運動不足で肥満になると動脈硬化になりますね。
また、お酒やタバコを控える方が良いというのも有名な話ですが、これもお酒やタバコを控えたところでM字ハゲが治るわけでもありません。
生活習慣の改善は、M字ハゲに繋がる可能性すべての要因を改善することで効果に期待を持てるという認識を持ちましょう。
また、AGA治療薬を使っていく場合も生活習慣を改善しておく方が期待値が上がります。
育毛剤を使うべし!
さて、M字ハゲが気になった時は育毛剤を使うのがオススメです。
・AGAが原因:5αリダクターゼ抑制などの育毛剤が良い
・AGA以外の原因:育毛有効成分が入っていれば何でも良い
M字ハゲに対する育毛剤の選び方は上記となります。
基本的にAGAでジヒドロテストステロンが主な原因ならば、育毛剤よりもプロペシアなどの治療薬の方が良いです。ただし、副作用を考えると育毛剤の方がリスクゼロで改善をはかっていくことができるので、この辺りは個々によって判断が異なるポイントです。
AGA以外の原因の場合、プロペシアのような副作用ありの治療薬を使う必要はなく、どうしても作用の強いものを選ぶならミノキシジル配合のリアップシリーズでしょうか。このケースは本当に原因がどこにあるのか分からないので、育毛有効成分が入っているならどれでも良いと言えます。
リアップx5プラス
リアップx5プラスは第一類医薬品でミノキシジル5%配合です。
この育毛剤は壮年性脱毛症に対してのみ効果ありとされていますが、効果効能からいくと血行不良が主な原因の脱毛症には効果があると思われます。
チャップアップ
チャップアップは医薬部外品の育毛剤です。
黄金エキスなど5αリダクターゼ抑制効果も見込めるなど、全体的にバランスの良い成分が入っているので安心感があります。
花蘭咲
花蘭咲(カランサ)は医薬部外品の育毛剤です。
年配の方から厚い支持を得ている製品であり、育毛有効成分に加えて天然植物エキスが配合されているのが特徴です。
フィンジア
フィンジアは化粧品区分の育毛剤ですが、キャピキシルやピディオキシジルによって効果に期待を持てる製品です。
特にミノキシジルは副作用が怖いという方は、それと似た分子を持つとされるピディオキシジルが入っているので期待大です。
まとめ
M字ハゲは生活習慣などを理由によって起こることもありますが、AGAとしてホルモン作用から起こるケースが多いです。
その場合、体内からホルモンを抑制しなければ進行を止めることができないので、治療薬や育毛剤を駆使して進行をとめるように努めましょう。