みなさんは汎発型脱毛症をご存知でしょうか?
汎発型脱毛症は自己免疫疾患による脱毛症とされており、脱毛症の中でも治療が困難な難病です。
クリニックへいっても完治できるかどうか分からず、汎発型脱毛症を発症すると頭だけではなく全身の毛が抜けてしまうこともあり、毎日の生活は不安と苦悩の連続となります。
汎発型脱毛症は死に直結したり他の病気を誘発することはなく、医療機関においては美容目的と同じ扱いで保険が適用されません。
現状は病気として扱われていないものの、「ヘアスタイルでオシャレを楽しめない」・「常に他人の目が気になる」など、心理的な負担が非常に大きい症状です。
一人でも多くの方に知ってもらいたい
当サイトでは、筆者も含めてチーム全体として「重度の脱毛症に悩める人にエールを届けたい」という強い思いがあります。
脱毛症の中でも自己免疫疾患による汎発型脱毛症は本当に治療が困難であり、その生活は他人が想像する域を超えた悩みや辛さも多いと聞きます。
・特別な目で見られることが多い
・恋愛に勇気を持てない
・鏡を見るたびに悲しくなる
・治療に時間を取られる
・オシャレを楽しむ幅が狭い
一般的に汎発型脱毛症の知識が広まることによって、彼らが毎日の生活で抱える精神的な負担を軽減することができ、それが私達にできる間接的なサポートではないでしょうか?
髪の毛が抜ける原因や脱毛症の種類
髪の毛が抜ける原因はストレスや遺伝が理由だとよく言われますが、生活習慣や栄養バランスなど本当に様々な理由があります。一言に○○が理由と決まっていない為、それに応じて治療方法も原因によって変わってくるという現状です。
・ストレス
・遺伝
・生活習慣
・栄養バランス
・ホルモンの変化
・自己免疫疾患
・他の病気の影響、など
脱毛症の種類は原因や症状から分類されますが、最終的にはどの分類の脱毛症なのかを判断することが難しいこともあります。
・男性型AGA
・女性型AGA
・びまん性脱毛症
・分娩後脱毛症
・ひこう性脱毛症
・脂漏性脱毛症
・牽引性脱毛症
・円形脱毛症→重度は汎発型脱毛症
全身の毛が抜けてしまう汎発型脱毛症は、円形脱毛症の重度な症状だとされています。
円形脱毛症は「単発型=コインサイズの脱毛」→「多発型」→「全頭型」→「汎発型」という4段階に症状がレベル分けされており、単発型はとても身近な脱毛症でもあります。
円形脱毛症もストレスや遺伝など様々な原因があるとされており、現代の医学でもすべてが解明されているわけではありません。レベル4に分類される汎発型脱毛症の原因で最も有力な説とされているのが、自己免疫疾患です。
自己免疫疾患は脱毛症だけではない
免疫というのは異物を認識して攻撃する役割を持っていますが、自己免疫疾患になると正常な細胞や物質を誤認識で攻撃してしまいます。
自己免疫疾患に関連する症状は
・クローン病
・自己免疫性肝炎
・慢性胃炎
・急速進行性系球体肝炎
・バゼドウ病
など、何十種類という多くの症状があることが分かっており、その1つに円形脱毛症があります。
自己免疫疾患は
・臓器非特異的自己免疫疾患:全身に様々な症状が出る
・臓器特異的自己免疫疾患:特定の臓器に症状が出る
という2つに分類されます。
自己免疫疾患による症状では、全身性エリテマトーデスや多発性肝炎など厚生労働省の難病指定に該当する病気もたくさんあります。
しかし、円形脱毛症の汎発型脱毛症は難病指定されておらず、医療費助成を受けられないことも辛いポイントです。
また、自己免疫疾患というのは免疫力の低下による症状はたくさんあるわけですが、汎発型脱毛症になると他の病気も並行して発症してしまうとは限りません。
免疫は体の様々なところに存在している細胞であり、どこの免疫細胞が自己免疫疾患になっているのかによって症状も変わってきます。
汎発型脱毛症の治療方法
基本的に軽度の円形脱毛症は自然治癒が可能であり、一般的に言われるストレスが原因の場合などは一過性の症状で終わるケースが多いです。
しかし、多発型や前頭型など頭皮全体に脱毛症が進行する場合は自然治癒で治せる可能性が低くなり、自己免疫疾患が原因の場合はクリニックで治療していくしかありません。
クリニックで脱毛症を治療する場合は
・ステロイド注射
・ステロイド内服薬や外用薬
・局所免疫療法
・点滴静注ステロイドパルス
というように様々な治療方法があり、医師の診断から適切な治療方法が提案されます。
自己免疫疾患による重度の脱毛症は、何よりも根気よく治療を継続していくことが欠かせません。また、クリニックでは患者さんの精神的な負担を和らげるという役目も非常に大きいです。
子供の汎発型脱毛症
汎発型脱毛症は大人だけの症状ではなく、子供が発症することもあります。
子供が汎発型脱毛症を患った場合は心に傷を負いやすく、家族や友人など周囲のサポートが非常に大切です。
また、何よりも懸念されるのがいじめに繋がることであり、全身の毛が抜けていることをいじられている場合は「それはダメなことなんだよ」と注意することが周囲の役目でもあると考えます。
親が子供に対して正しい知識や接し方を教育し、汎発型脱毛症を患った子供が不安なく生活できる環境が作られていくことを切に願います。
子供の汎発型脱毛症もクリニックで治療する
子供が自己免疫疾患による重度の脱毛症を患った場合、大人と同様にクリニックで治療に専念していくしかありません。
また、子供は思春期において自己嫌悪に陥ってしまうこともある為、心のケアという意味合いも含めて早期に治療を始めるのが好ましいです。
自己免疫疾患による脱毛症は病気なのか?
病気や疾患という言葉の定義は様々であり、健康を阻害する病を指すことが多いです。
脱毛症だけに的を絞ると、医療機関において保険が適用されないように「健康が阻害される」わけではないため、病気と捉える必要はありません。
何かの病気によって脱毛症を発症したり、自己免疫疾患で脱毛症と並行して他の病気を患った場合、それは病気と表現することができます。
一般的に全身の毛が抜けている姿は「普通では起こり得ない=異常」と捉えることが多く、それをストレートに病気だと思いがちです。
しかし、重度の脱毛症でも単に免疫異常から毛根が機能していないだけであり、体自体は至って健康であるケースは多いです。
大人にとっては簡単に理解できることですが、子供の場合は「病気」という言葉に対して過剰に反応することが良くあるので、安易に病気という言葉を使わない配慮を持つことも覚えておきたいポイントです。
前向きになる方法とは?
さて、最後に自己免疫疾患の脱毛症に悩む方に「前向きになる方法」を紹介しておきたいと思います。
重度の脱毛症の対策は限られており、治療に専念しながら改善の兆しが見られるのを待つしかありません。
治療結果が出るまでの生活において、他人の視線などから心を閉ざしてしまうことが多いと思いますが、前向きになることがとても大切です。
・開き直る
・堂々と生きる
・笑い飛ばす
・物事を適当に捉える
・長所を伸ばす
自分自身が前向きに明るく生きることができると、周囲も自然とそれを察知して脱毛症にスポットが当たらなくなります。
逆に毎日の生活で脱毛症の悩みを前面に押し出してしまうと、「大変だけど頑張ってね」と周囲も脱毛症にスポットを当てざる終えなくなります。
適当をマスターして会話の上手な人になる
適当というのは「いい加減な対応」や「適材適所」などの意味がありますが、どちらかと言えばネガティブな意味で使われることが多いです。
コミュニケーションにおいては適当な対応をする方が状況を好転しやすいことが多々あり、分かりやすいのがお笑いの世界です。
適当をうまく使うことができると、コミュニケーションにおいて「ノリ」や「テンポ」が出やすいため、周囲との会話も弾みやすくなります。
長所を伸ばして一目置かれる存在になる
自分の長所を伸ばすために全力を注ぐというのも、前向きになる簡単な方法です。
人というのは学校や職場など様々なところで時間を共有しながら生きていきますが、その中で相手に対して相互に「印象」や「感想」を自然に抱きながら接することになります。
外見というのは確かに相手への印象等を決める1つの要素ではありますが、これですべてが決まるわけではありません。
スポーツや勉強など、何かのスキルが人より秀でている人は魅力的に感じますね。
また、長所が伸びれば伸びるほど、人からそのジャンルにおいて頼られることも多くなります。
脱毛症を隠す必要はない
汎発型脱毛症の治療では、治療生活においてウィッグを推薦されることが多いです。
現代のウィッグは非常に精巧な作りであり、様々なヘアスタイルを選べることからもファッションアイテムとして使われることも良くあります。
しかし、脱毛症を隠すためにウィッグを使う必要はなく、特に学校生活においてはウィッグだけで耐え忍ぶことがとても難しいです。
「体育の授業ではどうするのか?」など、脱毛症を隠すためにウィッグを使うと様々な弊害が出てきます。
大人の場合も他人と時間を共有する中で、ウィッグで脱毛症を隠しているから起こり得るピンチな場面は多くあります。
基本的に脱毛症の方にとってもウィッグはファッションアイテムとして使うのが良く、脱毛症を隠さない方が堂々と生活をしやすいと考えます。
学校や職場では自分が脱毛症であることを知ってもらい、プライベートで時間を共有するときはウィッグでオシャレに決めると、逆にファッションを楽しみやすくなります。
自分自身で生活しやすい環境を作る努力は欠かせない
汎発型脱毛症の生活は、それを受け止めながらもいかに前向きになれるのかがとても重要です。
周囲のサポートによって心理的な負担を軽減しながら生活することは可能であるものの、自分自身で理想的な環境を作っていく努力も少なからず必要です。
クリニックで治療に専念しながらも、「自分が前向きになれるにはどうすれば良いのか?」という点にも焦点を当ててみてください。